一般家庭用インターネット回線と法人向けのインターネット回線の解約手続きで、異なる点があるかどうかを説明します。ただし、旧プロバイダーによってはこちらで解説する以外の方法で契約の解除をしなければならない物もありますので、旧プロバイダーの契約の解除についてはわかる範囲での説明となります。
基本は個人向けのインターネット回線の契約解除と同じ
法人向けインターネット回線の解約法ですが、基本は一般家庭用ネット回線の契約解除法と同じで、利用しているプロバイダーに連絡をして手続きを行います。連絡方法は主に、電話やFAX、または書類の郵送となります。
なお契約を打ち切ると法人向けインターネット回線を利用してのサービスはすべて受けられなくなりますので注意が必要です。メールサーバーの他、ホームページを公開しているwebサーバーへのアクセス権を失いますので、プロバイダーの契約を打ち切るとともに発生する問題として覚えておきましょう。
とくに、ネットワークセキュリティ関連のソフトウェアなどのレンタル契約をしていた場合、プロバイダーとの契約が打ち切られると、セキュリティ関連ソフトウェアの使用も不可能となります。解約する前に、現在どのようなサービスを利用しているのか把握しておく必要があります。
また、ホームページを法人向けインターネット回線の旧プロバイダーを使用して開設した場合、旧プロバイダーから提供されたアドレスでホームページを公開しているため、解約するとそのホームページのアドレスは使用できなくなり、ホームページへのアクセス権も失ってしまいます。
ただし、旧プロバイダーのwebサーバーのみレンタルという形で利用可能な場合は、たとえプロバイダーを変更しても、再度サーバーへのアクセス権を購入すればアクセス可能です。以上の点を踏まえて契約の解除を行うのが理想です。
解約金の発生には注意をすること
法人向けインターネット回線の解約を行う場合、注意すべきポイントとして解約金の発生というものがあります。多くのプロバイダーは、長期にわたり契約をする企業へさまざまなサービスを提供しています。
たとえば、社内用メールサーバーや通販サイトの構築用アプリなどのサービスです。これらのサービスはプロバイダーが提供することで成り立っていますが、中には契約を打ち切りよその会社のサービスへ乗り換えたいと考える企業もあります。
企業側が一方的に契約の打ち切りを行わないように考えられたのが、解約金というシステムです。プロバイダー側は最低でも2年や3年といった期間サービスを利用しなければ、違約金の支払いを企業に求めることができる制度を採用しています。これは、企業や個人が安易にサービスを乗り換えないようするための仕組みなのです。
最近ではこの違約金を徴収しなくなった法人向けインターネット回線の事業者も存在します。しかし、すべての事業者が違約金を徴収しなくなったというわけではありませんので、契約中の回線で違約金が発生するかどうかをしっかりと確認しておきましょう。
次に違約金のタイプですが、3年契約で1年ごとに違約金の価格が減少していくものと、3年契約でいつサービスの利用を解約しても違約金を一定額支払わなければならないものと、大きく2種類のタイプがあります。これらを踏まえたうえで、今の契約を打ち切るかどうか考えましょう。
プロバイダー解約時に繰り越して情報を更新し契約することも可能
プロバイダーの解約時に契約更新を行う方法もあります。これはすでに使用しているプロバイダーのサービスが満期を迎えた場合に適用できる仕組みです。簡単にいいますと、たとえばプロバイダーのサービス利用契約年数が決まっており、その年数がたったときに、契約者側は新規に契約をするか、継続して契約をするか、解約してサービスから抜けるか選択できるということです。
利用継続する場合は、メールやホームページなど、すべてのサービス内容や情報をそのまま引き継ぐことができます。一方、新規契約する場合は、現在の契約内容を引き継いだうえで、別のプロバイダーサービスに加入できます。たとえば、回線速度をアップさせた法人向けインターネット回線への変更といったものです。
契約内容を移行しつつ、使用できるサービスのランクアップやダウンを行うことができ、この場合、新規契約といっても基本的な情報は引き継がれるのが利点です。違約金等の決まりは新規のプランに準ずる契約になります。解約をする場合は、契約期間がおわったその期日にプロバイダーとの契約は終了となり、法人向けインターネット回線サービスと、それにまつわるすべての契約を取りやめることになります。
注意すべき点は、多くのプロバイダーは自動契約という処置をとっていることです。自動契約とは、契約が切れるタイミングになると自動で更新するという仕組みです。そのため解約を申し出る場合は、タイミングを合わせて契約の打ち切りをする必要があります。
法人向けインターネット回線の解約も、一般家庭用の契約と同じように手続きを行います。とくに注意すべき点は、契約打ち切りに際しての違約金の扱いです。インターネット事業者ごとに異なるため、事業者の規約に従って、契約を打ち切るか続投するかを選択します。また法人向けインターネット回線では、新規に契約することで契約情報を引き継いで上位プランへ移行することも可能です。