法人向けインターネット回線の比較ポイント

公開日:2019/02/15 最終更新日:2024/06/17

法人向けインターネット回線と個人向けインターネット回線では、通信速度などのスペックやIPに関連する提供形態に大きな違いがあります。

これから企業で安定した高速通信を行いたいと考えているのならば、これらの点を考慮して比較しなくてはいけません。

どのサービスを選ぶかでこれからの環境が異なってきますので、まずはサービス内容の違いを理解していきましょう。

固定IPアドレスが利用可能

法人向けインターネット回線サービスでは、家庭用のサービスと異なってIPアドレスが常に同一のものになる「固定IPアドレス」を利用することができます。

一方、家庭用のIPアドレスはインターネットの接続環境を変化させるごとにIPアドレスが変わってしまう仕組みになっています。

例えば、インターネットに接続するときには必ずIPアドレスという識別番号が与えられるのですが、パソコンの電源を一度落とすと、次に接続するときには以前とは異なったIPアドレスが与えられます。そのため、同じパソコンから接続していても、インターネット上では別のところからアクセスしていると判断されます。

このとき、固定IPアドレスという特別なIPアドレスを利用すれば、Webサイトなどを公開していてもインターネット上での場所が常に同じに保たれ、利用者がそのサイトにアクセスすることができます。(反対に固定IPアドレスを利用しないと、利用者はそのサイトを探し出すことができずアクセスできません)

また、固定IPアドレスはセキュリティ対策を行う上でも非常に重要だと言えます。本社の他に支社や支店がある場合、地理的に離れた拠点同士の通信を安全に行うためVPNという特別なネットワークを構築する必要があります。これは、通信経路を通過中のデータを暗号化して、盗み見られても情報漏えいしないようにするための対策です。このVPNを構築する際にVPNルーターという専用の機器に固定IPアドレスを設定する必要があるのです。また、外部からの不正なアクセスを識別して遮断するようなセキュリティ対策を行うときに設置するファイアウォールの設定にも固定IPアドレスは使われます。

最大速度の「1Gbps」は実際に出る速度ではない?

個人向けでも法人向けでも、最近のインターネット回線サービスのスタンダードは「1Gbps」という速度です。しかしこの「1Gbps」は実際の通信を行う上で発揮されるスピードではありません。極端な言い方をすれば、「1Gbps」ものスピードが実際に出ることはまずあり得ません。

どういうことかと言うと、この「1Gbps」の前に付いている「最大」という表現が重要なのですが、これは回線の持つ通信能力の限界が1Gbpsということを表しています。理想的な条件での理論上の最大速度なので、実際の通信でその最大値が出ることはほぼありません。

様々な要因が関係し、実際の通信における速度は数十Mbps~数百Mbpsになるのですが、同じ料金を支払っている同じサービスのユーザー間でもばらつきが出てきてしまいます。実際どれくらいの速度が出るのかは通信を行ってみないと通信事業者でも分からないので、ユーザーからクレームを受けないように「ベストエフォート」(最大限の努力)と表現して、実際の速度を保証することも、これまでの実績などを開示することもできないのです。

「共有型」と「専有型」の違いを理解しよう

さらに言うと、個人向けのサービスは「共有型」と呼ばれる構成が一般的なのですが、これは1Gbpsの通信能力を持つ1本の回線を何本にも分岐させ、近隣のユーザー同士で共有しているということです。つまり共有しているユーザーのうち自分たちの他に1ユーザーでも通信を行っていたら、1Gbpsという回線の能力すべてを自分たちの通信のためだけに使うことはできないということです。共有しているユーザーの通信の総量が増えれば、それだけ回線は混雑し通信に遅れが生じやすくなります。

一方、法人向けの回線には「専有型」という構成のものがあります。これはさきほどの「共有型」とは異なり、1Gbpsの能力を持つ回線を1本まるごと1ユーザー毎に引き込むものです。こちらも「ベストエフォート型」である限り、1Gbpsという最大値の速度が出ることはありませんが、1Gbpsの能力をすべて自社の通信のためだけに使える分、「共有型」の回線よりも速いスピードが期待できます

 

このように、同じ「最大1Gbpsベストエフォート型」の回線でも、「共有型」と「専有型」の違いによって実際の速度に差が生まれることが分かっていただけたと思います。

回線を選定する際には、「1Gbps」という速度表記だけに気を取られその他の重要な条件を見逃さないように気を付けましょう。

 

おすすめ法人向けインターネット回線一覧

イメージ
サービス名
(会社名)
光ビジネスアクセスNEXT(株式会社USEN ICT Solutions)フレッツ光ネクストビジネスタイプ
(NTT東日本・NTT西日本)
OCN光「フレッツ」(OCN)
イーサシェア(KDDI株式会社)イーサネットアクセス (S)(ソフトバンク株式会社)NUROアクセス スタンダード(ソニービズネットワークス株式会社)
連絡先0120-681-61703-5359-5111(東日本)
0120-116116(西日本)
0120-106107(OCN)
03-3347-0077お問い合わせフォーム0120-963-350
回線タイプベストエフォートベストエフォートベストエフォートベストエフォートベストエフォート(一部帯域確保)
通信速度上り:最大1Gbps
下り:最大1Gbps
上り:最大1Gbps
下り:最大1Gbps
上り:最大1Gbps
下り:最大1Gbps
上り:最大1Gbps
下り:最大1Gbps
上り:最大1Gbps
(10Mbps確保)
下り:最大2Gbps
(10Mbps確保)
提供構成専有型専有型専有型専有型共有型
参考価格
:月額費用
4万6,200円(税込)4万5,210円(税込)
※別途プロバイダ利用料金が必要
33万円(税込)858万円(税込)2万735円(税込)
参考価格
:初期費用
5万8,300円(税込)
※工事費別
2万680円(税込)3万4,650円(税込)11万3,850円(税込)22万3,300円(税込)
※2年継続なら実質無料
SLA(品質保証制度)対象遅延速度
可用性
遅延時間
故障通知時間
故障回復時間
パケット損失率
遅延時間遅延時間
可用性
稼働率
トラブル対応
サポートの仕方
24時間365日の電話受付(トラブルきりわけ・復旧支援)と、必要に応じて現地への駆けつけ対応「24時間出張修理オプション」:月額3,300円(税込)で、24時間故障受付可能故障申告受付と故障復旧作業を24時間対応24時間365日の監視・保守を標準提供。回線終端装置は、常時監視により迅速な復旧を24時間365日対応24時間365日対応のオンサイト保守が標準装備。障害の発生箇所の調査や問題の切り分け、現地での保守対応も可能
その他特徴ネットワーク全体を管理し、バックボーンを定期的に増強するため、通信環境が安定しているバックボーンは国内最大級。常に高品質で安定したインターネット環境を提供できるWebブラウザを利用し、日々の通信状況をチェックできるトラフィックレポートを標準付属バックボーン内の機器・回線の二重化による障害対策および、通信の優先制御を行うことで信頼性・安定性を実現環状に交換設備を接続するリング型構成になっており、1つの区間で障害があっても逆向きの接続で伝送することが可能
詳細リンク詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら
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