ビジネスの規模が小さく通信量が少ないのなら、個人向けのインターネット回線でも十分な場合があるでしょう。
しかしフリーランスやSOHOでも、ある程度規模が大きくなり通信量が増加してきたのなら法人向けインターネット回線の導入を考えましょう。
法人向けインターネット回線には、個人向けにはないメリットがいくつもあります。
個人向けサービスを利用していて遅延が気になるようになってきたら、法人向けサービスも検討してみましょう。
固定IPアドレスが必要かどうかを確認しよう
個人向けサービスでは、基本的には動的(非固定)IPアドレスを利用するため、インターネットに接続度にそのとき使っていないIPアドレスが自動で割り当てられます。そのため、IPアドレスは毎回変化してしまいます。
個人向けなら毎回変化しても問題ありませんが、法人が使用する際には毎回変わると困ることもあります。たとえば自社サーバーを立ててWEBサイトを公開した場合、インターネット上の住所であるIPアドレスが毎回変化すると利用者は迷子になってしまい、そのサイトにアクセスできません。
反対に、固定IPアドレスを利用すれば、WEBサイトの住所が変化しないので利用者が迷わずアクセスできるようになります。
個人向けのサービスでもIPアドレスはオプションで契約可能ですが、基本的に1回線につき1つまでです。
公開するWEBサイトが1つだけならそれでも問題ありませんが、複数になるとオプションでは対応できなくなります。
法人向けインターネット回線なら複数の固定IPアドレスも取得できることが多いので、固定IPアドレスを複数利用する予定がある場合は、法人向けサービスを検討する必要があるでしょう。
また、セキュリティ対策を行う上で、ルーターやファイアウォールに固定IPアドレスの設定が必要になることがあります。
個人のユーザーよりも機密情報を扱うことの多い法人であればこのようなセキュリティ対策を行うために固定IPアドレスを利用する機会は多くなるはずです
領収書を簡単に発行してもらえる法人契約
オフィスに導入するインターネット回線は、料金を経費にすることが可能ですが、料金を経費にするためには税務申告の際に領収書が必要になります。
個人契約の場合は料金をクレジットカードで払うのが一般的なので、 ユーザーと通信事業者の間に信販会社が入ることになり、正式な領収書を受け取れず経費として落とせないことがあります。
一方、法人契約なら、通信事業者から税申告で必要になる正式な領収書を受け取れることが多いです。インターネットの利用料金を経費として落としたい場合は、領収書を発行してもらえる法人契約にする必要があることを忘れないようにしましょう。
通信経路を分離して速度の低下を防ぐ
新たなサービスでは、法人ユーザーと個人ユーザーで通信経路を分離しているものもあります。
それぞれの通信経路を分離することにより、法人ユーザーと個人ユーザーがお互いに影響を受けることがなくなり、通信の渋滞による速度低下を緩和することが可能です。
動画や音楽配信などの影響でこれまでは使用量の少なかった個人ユーザーのトラフィックが増え、法人ユーザーが悪影響を受けることが多くなってきました。
そこで、論理的に通信経路を分離している法人向けインターネット回線が登場し、個人ユーザーのインターネット利用が増える時間帯でも高速で安定した通信が期待できるようになりました。
常に安定して高速な回線をオフィスに導入したいなら、こうした点を条件に加えてみるのも良いでしょう。
業務効率や業績そのものにまで影響を及ぼす可能性のあるビジネスシーンでの通信は、プライベートでの通信よりも高品質なものが求められるはずです。
ビジネスが小規模の場合は個人向けでも問題ありませんが、規模が拡大にするにつれデータ量は増えてくるはずですので、早めに変更を検討してみましょう。