ここでは、法人向けインターネット回線の開通でつまずきやすいポイントを紹介します。小規模タイプならそれほど迷うこともありませんが、大規模タイプや月額が高額な法人向けインターネット回線では、つまずきやすいのも事実です。それは規模が大きくなる程ネットワーク複雑になるため、投資したけど効果が少なかったという場合もあるからです。
自分の会社のネットワーク構成を把握していない
法人向けネットワーク回線を導入するには、まず自社のネットワーク構成をよく理解しておきましょう。大規模ネットワークになるとここには書ききれませんので割愛しますが、小規模タイプなら固定IPと変動IPを使ってどの機種の通信をしたいか、またどこのネットワークで不便を感じているのかを明確にします。
小規模タイプで単純に通信速度を早くしたいと考えるなら、よく選ばれて口コミもよい大手のサービスを導入すれば間違いなく、回線の安定性と速度の充実で定評があります。たとえば、とある会社のプランをみてみると、プロトコル規格がIPoE(IPv6)のみに対応しているものがあります。これは外部のプロバイダーとの間を繋ぐための技術ですべてのホームページに対応しているわけではありませんが、対応ルーターは既に出回っています。
パソコンのネットワーク設定でもIPv4からIPv6に変更できます。小規模タイプでは、工事も通常の光回線と同じなのでつまずくことは少ないでしょう。専用のONUが必要となりますが、それも業者が設置してくれます。
問題は大規模タイプです。これは正直、システム担当者でなければどこから手をつけてよいのかわかりません。導入するにしても、規模が大き過ぎるのです。導入自体は業者がすべて行ってくれるので、必要なのはサーバールームを開けてあげることです。
外部から光回線を引き込み新しいONUに交換します。工事業者はそれしかやりません。その後の設備は全部ユーザーの会社のものだからです。ですから、ONUを変えて、すぐに既設のルーターやスイッチングハブが正常に動作するのかを調べるのが一番重要といえると思います。
サービスが複雑すぎてどこを選べばよいのか分からない
そもそも、サービスが複雑でどこを選べば分からないという人もいると思います。しかし大企業であれば、専門の担当者がいるので問題ないでしょう。
ここでは、主に個人事業主や中小企業向けに話をします。個人事業主でも中小企業でも、導入する回線は固定IPと変動IPの2セッションであることが多いはずです。片方を専用サーバーなどに使用し、もう片方を無線ルーターなどに接続して社員のPCに接続します。これで理論てきには、回線に余裕ができ、かつ法人向けの回線ために安定性と速度も増すはずです。
しかし、もしそれほど変わらないとしたらどうでしょうか。その場合は最新のPCや無線ルーターを使用しているのか、または、サービスプロバイダーでIPv6を使用しているか、などを確認するとよいでしょう。改善したいのであれば、それに対応している機器を探してみましょう。
ただし、よく選ばれている大手メーカのものだと価格は通常の数倍はするので速度や安定性を最も重視する人に向いています。固定IPの追加やセキュリティシステムの追加オプションなどもあります。
法人向けインターネットはまず開通してみる
あまり悩んでも仕方がないので、取りあえず通信環境に不安を感じたら相談して乗り換えを検討しましょう。そもそも、どうして法人向けのインターネット回線をさらにグレードアップ、または乗り換えるかというと、多くはクラウドなど使用するサービスが増えて自社内のネットワークの遅延が目立つからでしょう。
そのために、月額30万円から700万円も投資して、インターネット回線を導入する訳です。しかも、今は都内のビルも空室が目立ち始めているので、今後何年使用するかによっても導入プランがかわります。反対に、この時期をチャンスと捉えた企業はオフィスを都内に借りて、高額の法人向けインターネット回線を導入しています。
さて、ここまで法人向けインターネット回線の開通でつまずきやすいポイントを説明してきました。話が飛んだ部分もありましたが、基本的に回線に不満を感じたら変えましょうというスタンスです。あまり失敗を恐れる必要もありません。小さな改善を積み上げるようにして、挑戦して見てください。