法人向けインターネット回線を利用するにあたり、セキュリティは最重要課題です。もし会社のサーバーに不正にアクセスされ、顧客情報が盗まれたら大変な損害です。会社としてのイメージも失墜したことになるでしょう。そこで当記事では、社内のインターネット回線のセキュリティを強化する方法を徹底解説します。
社内のインターネット回線のセキュリティ対策が不足しがちな理由
人のセキュリティが不足する主な原因は2つあり、そのどちらも根っこの深い重要な問題です。それぞれチェックしていきましょう。
■必要な対策がわからない
会社のセキュリティ対策をどこまでやればよいのか理解している人は圧倒的に少数です。個人向けのパソコンのセキュリティ対策であれば、大手のセキュリティソフトを導入するだけでよいかもしれません。そもそも個人の場合は、セキュリティに問題が生じても大きな問題に発展することは多くありません。
一方で法人向けのセキュリティともなると不正アクセスによる情報漏えいはもちろんですが、ウイルスやマルウェアへの感染にも注意が必要です。さらにDDoS攻撃などさまざまなものがあるのです。
リスクが多いからこそ、「それぞれのリスクをどこまでカバーすればよいのかわからない」ということになり、結果としてセキュリティが不充分になるのです。セキュリティに対する知識がないことで、サイバー攻撃されているのに気づかず外部から指摘されてやっと把握する、ということも珍しくありません。
■専門職の配置が負担になる
セキュリティを向上させるために、もっとも手っ取り早いのが専門職を配置し管理してもらうことです。セキュリティの専門家が会社にいることで、外部からの侵入やウイルス感染を未然に防げるようになります。しかし専門職を配置するためには、当然コストもかかります。さらにセキュリティに関しては、効果が実感しにくい部分でもあるため軽視されがちです。
社内のインターネット回線のセキュリティ対策の重要性
インターネットを通じた犯罪は年々増えており、大企業がターゲットにされることも珍しくありません。ここでは、社内のインターネット回線のセキュリティ対策の重要性を詳しく解説します。
■社外秘情報が外部に流出する
セキュリティに問題があると、外部からのアクセスにより端末やサーバーに保存されている情報が漏洩するリスクが高くなります。顧客情報が流出することもあるうえ、クレジットカード情報や銀行口座の情報が流出することも考えられるのです。
仮に口座の情報が漏れ、暗証番号なども解読されてしまうと金銭的な被害が発生することも考えられます。顧客情報の流出で損害賠償請求される恐れもあるので、情報の外部流出はなんとしてでも防がなければなりません。
■盗撮・盗聴される
近年のパソコンやタブレットには、小型のカメラやマイクが搭載されています。それらを介して、盗撮や盗聴の被害が発生することも考えられるのです。
少し前になりますが、イギリスの諜報機関であるGCHQによると、2008年から2012年の4年間で一般市民を含むYahoo!ユーザー180万人以上のウェブカメラの映像が傍受されていたことが公表されました。パソコンのカメラやマイクに対するセキュリティはあまり重視されていません。だからこそ対策しなければならないのです。
■端末がウイルスに感染する
オフィスには必ずといってよいほどパソコンなどの端末があります。その端末がウイルスに感染すると、情報が漏洩したり、パソコン自体の機能が低下したりするなどさまざまな悪影響が出てきます。
ウイルスに関してはこの瞬間も新しいものが生み出されており、過去のセキュリティシステムでは防げないものも少なくありません。とくに会社の場合は、知らないうちにウイルスに感染し、メール送信を通して社内や取引先にも被害を広げてしまう可能性もゼロではありません。
社内のインターネット回線のセキュリティを強化する方法
では、具体的にどうすれば社内のインターネット回線のセキュリティを強化できるのでしょうか。
■ログイン情報の変更
ルーターの管理画面にアクセスするときにはIDとパスワードを入力します。そのIDとパスワードを初期設定のままにしていませんか?メーカーにもよりますが、初期IDとパスワードをオンライン上で公開していることもあるため危険です。必ず変更し、できれば定期的に変更しましょう。
ちなみに接続用パスワードも初期のものになっていると、不正アクセスに被害にあいやすいです。したがって接続用パスワードも変更しましょう。
■暗号化した通信を利用する
通信の暗号化を必ず行ってください。暗号化についてはルーターの管理画面から行えますが、AESやTKIP、CNSAといった強度が高いアルゴリズムがおすすめです。一方でWEPは強度が弱いためおすすめできません。
■SSIDの変更
Wi-Fi利用時には、アクセスポイントに接続するためにSSIDを使用します。そのSSIDに社名が入っていると攻撃者から狙われやすくなるので注意しましょう。そこでルーターを設置したらSSIDを独自のものに変更してください。SSIDに社名や部署名などを入れることも避けてください。
まとめ
社内のインターネット回線のセキュリティを強化する方法をお伝えしました。社内のネット回線が脆弱なままだとハッカー等に狙われてしまい、大きな損害が出る危険性もあります。ログイン情報の変更や通信の暗号化など、ちょっとしたことでもセキュリティは高まります。自社および顧客を守るためにも、セキュリティに力を入れてみてはいかがでしょうか。