法人向けインターネット回線を効率的に利用することで、法人の効率的な事業活動に役立てることができます。
顧客からの多くのアクセスに一度に対応できるように高速で使用できる環境の回線も多いですが、その反面、費用も契約する会社によって大きく異なっている場合もあります。
ここではそうした法人向けインターネット回線の相場について紹介します。
目次
インターネットを使用するためにかかる初期費用
法人向けのインターネット回線を利用する際には、最初に初期費用が発生するケースが大半です。一旦回線の開設が終わってしまえば、あとは月額料金を支払うだけで良いのですが、契約スタートの段階ではある程度のまとまった費用が発生してきます。
初期費用はネット回線を利用できるようにするために、最初に支払う費用です。工事費が別途必要になったり、契約・登録関係の手数料なども発生することもあります。基本的な相場としては、月額使用料の数倍程度になるでしょう。具体的には、2万円から5万円前後におさまることが多いはずです。
特に気を付けておきたいのが工事費で、建物のタイプや配線の方法によって差が出てきます。一般的には戸建てよりもマンションの方がリーズナブルになるようです。工事費の内訳は基本工事費の他に、交換機などの各種装置の設置費が必要になってきます。すでに設置済みの回線を利用できる場合は、かなりコストダウンできるケースもあります。
登録費や契約料の他に、法人事務手数料と言った名目で支払いが発生することも多いです。これらはいずれも数百円から、数千円程度におさまることが大半でしょう。初期費用の支払いは分割に対応していることが多く、これを選べば実質的な負担を軽減することが可能です。
工事費の内訳と節約方法
インターネット回線の開通には、物理的な工事が必要となる場合があり、この工事費も重要な費用項目です。基本工事費、配線作業、機器の設置などが主な内訳となります。すでに回線設備が整っているビルであれば、コストを大幅に削減できるケースもあります。
また、同じプロバイダで契約を継続することで、再工事が不要になったり、工事費が割引・無料になることもあります。プロバイダによっては、オプションを最小限に抑えたシンプルなプランに切り替えるだけで工事が簡素化され、その分費用が抑えられる場合もあります。
さらに、キャッシュバックキャンペーンの活用も有効です。年度替わりや決算期にあたるタイミングでは、工事費や初期費用が無料になるキャンペーンが実施されることがあり、これらを活用すれば大きな節約になります。
新規契約の際の注意点を見ておこう
新規契約の際には、上記のような初期費用がかかってきます。そのために、契約の際には費用負担をしっかりと把握しておくことが大切です。特に気を付けたいのが早期の解約となります。インターネット契約をしたものの、すぐに解除してしまうと、工事費が丸々損になってしまいます。分割払いにしているときには、解除したときに一括請求されることになるので、注意しておきましょう。
また、分割払いにしておくと、月額料金の支払い時に一緒に請求されることになります。このために一括払いより負担は軽くなるように見えますが、総額を計算すると思ったより高価で驚いた、と言うことにならないよう注意が欠かせません。最初にしっかりと総額を把握して、納得した上で決めていきたいものです。
ちなみに、初期費用は各社のキャンペーンを利用すれば、大幅に負担を軽減できることもあります。工事費無料や登録手数料不要と言ったキャンペーンがしばしば実施されていますから、この機会にチェックしてみましょう。タイミングが良ければ、お得に契約できたりします。
プランの見直しをすると安くなることも
今までインターネット回線をつないでいて会社を変えない場合にはプランを見直しすることにより工事費用が安くなることもあります。例えば、今まで余計な必要以上にお金のかかるプランを利用していた場合に限定されますが、プランをシンプルなものにすることで工事自体がほとんど必要ないことも考えられるでしょう。このように負担を少なくすることで、毎月の費用も安くなるためメリットが大きいです。もちろん、将来的に使えそうなプランは残しておいてもよいでしょう。
次に、キャッシュバックキャンペーンなどがおこなわれていることもあります。キャッシュバックキャンペーンがいつおこなわれるかは明確ではありませんが、年度が変わるときにキャッシュバックキャンペーンをおこなうこともあるでしょう。そのようなときを見逃さずに、法人用のインターネット回線を契約すると良いかもしれません。初期費用が安くなるだけでなく、工事にかかる費用も安くなる可能性があるわけです。場合によっては、初期費用はそのままで工事費用が無料になることも考えられます。
毎月ごとに支払いが必要となる通信費
法人向けインターネット回線を利用するための、月ごとの通信費も契約するプロバイダによって大きく異なっています。
法人向けのサービスでは特に、回線速度が重視されていますが、1秒あたりギガ単位の情報量を通信できるような超高速インターネット回線が、法人向けのサービスでは人気があります。
また、法人向けインターネット回線の場合には、セキュリティもサービスの重要な要素を占めていて、24時間安全にインターネットを使用できる環境が整えられています。
こうした超高速で安全に使用できる環境の契約の場合には、通常よりも相場が高めになっているのが特徴で、低額のものでも毎月2万円程度の費用がかかります。
高速の法人向けインターネット回線の場合には、通信費もプロバイダによって大きく異なっているのですが、多くの会社では3万円から10万円程度の価格帯の中でサービスが利用できます。
それよりも安い費用で法人がインターネットを使用したい場合には、より低速の通信速度で利用できる回線を契約する方法もあります。
1秒あたりの情報量が100キロビット程度の通信速度の契約ならば、あたり2千円以下の通信料で使用できる低額のインターネット回線もあります。
こうした低速の回線の契約は、一ヶ月あたり5,000円以下の料金が平均的な相場となっています。
目的にあわせて選ぶことで通信費を節約することが可能です。
セキュリティにこだわるとコストは上昇
様々な目的のために法人向けインターネット回線の利用を開始する企業の数は年々増えていますが、特にセキュリティーにこだわる場合には、月々の契約料金が高くなることがあります。
そのため、プロバイダを通じて予算の範囲内で万全なセキュリティー対策を行いたい場合には、低価格帯のオプションプランがたくさん用意されているところや、基本料金がリーズナブルに設定されているところを探すことがおすすめです。
また、選択できるセキュリティー対策の種類については、プロバイダごとに違いがありますが、ウィルスやスパイウェアなどのリスクに対応をするうえで、じっくりと将来的に掛かる費用を調べることが重要です。
例えば、法人向けインターネット回線の契約を結ぶにあたり、プロバイダが独自に開発したセキュリティソフトも同時に利用したい場合には、評判の良いプロバイダの料金相場を早いうちから比較することが肝心です。
なお、最新のセキュリティー対策を行うには、トータルコストが1万円以上になることも少なくありません。
そこで、契約をしてから後悔をしないために、信頼のできるプロバイダの担当者からサービスのメリットについて教えてもらうと良いでしょう。
固定IPアドレスの利用費の相場
法人向けインターネット回線の場合、通信費のほかに必要となるのが、固定IPアドレスの利用費です。
事業を行ううえで固定したIPアドレスを利用することは不可欠になるので、事業の内容や規模によっては複数の固定IPアドレスを利用する必要がある場合もあります。
こうした利用料も契約するプロバイダによって異なっているのですが、多くの会社で採用されているシステムが、新しい固定アドレス一つごとに料金が加算されるシステムです。
低速の回線のほうが、アドレスの利用料も低いのが特徴で、数千円の料金で利用できるような低額の契約の場合には、アドレスも千円以下から3千円程度の料金で利用できる会社も多いです。
また会社によっては、複数の固定アドレスをまとめて使用できる法人向けインターネット回線もあります。
10個程度のアドレスを利用できる場合でも、1万円以下の料金で利用できるサービスを行う会社もあり、できるだけ費用をかけずにインターネットを利用したいと考える企業にも人気です。
利用できる固定IPアドレスの数が多くなればなるほど、利用料も高額になりますが、15個以上のアドレスを使用できるサービスでも、1万円以下の料金で利用できる会社もあります。
高速の回線でなおかつ複数のアドレスを利用できる契約でも、会社によっては通信費と合わせて5万円以下の料金で利用できる場合もあります。
法人向けインターネット回線を選ぶときのポイントは、通信速度と使用できる固定IPアドレスの数です。
法人の行っている事業の内容や規模に合わせて、最適な契約を選ぶことで、経済的にインターネットを使用することができます。
契約前に確認しておきたい注意点
法人向けインターネット回線を契約する際には、単に料金だけでなく、契約内容の細かい条件にも注意が必要です。たとえば、契約期間中に解約すると、分割払い中の初期費用が一括請求されるケースがあります。短期で乗り換えを検討している企業にとっては、大きな負担となりかねません。
また、初期費用が低く見えても、月額料金やオプション費を合算すると、総額が割高になる場合もあります。そのため、契約前に月額料金・初期費・工事費・固定IP利用料・オプション費をすべて含めた総額を見積もることが重要です。
あわせて、カスタマーサポート体制も重要な判断材料です。導入時のトラブルや障害発生時に、法人専用のサポート窓口があるかどうか、対応時間はどの程度かといった点を確認しておきましょう。
まとめ
法人向けインターネット回線の費用は、利用目的や企業規模、必要な速度・セキュリティ水準によって大きく異なります。シンプルなプランであれば数千円の月額で導入できる一方で、高速通信や高セキュリティ環境を求める場合は初期費用や月額料金が高額になる傾向があります。
固定IPの必要数や工事の有無、オプションサービスの有無も含め、事業にとって何が必要で何が不要かを見極めることが、コストを抑えながら最適な契約を選ぶための第一歩です。
導入前には複数のプロバイダに見積もりを依頼し、キャンペーンやお試し期間の活用も視野に入れて、賢く選択しましょう。適切な契約によって、法人の通信環境はより安定し、事業成長を支える基盤となるはずです。
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引用元:https://www.gate02.ne.jp