法人向けインターネット回線を選ぶ際、回線速度が速く安定しているプロバイダを選びたいと考える方も多いでしょう。
ここでは、プロバイダによって速度が変わるのかや、速度が低下するさまざまな原因などについて分かりやすく紹介します。
プロバイダによって回線速度は変わるのか
インターネット回線を選ぶときに気になることの一つとして、回線速度がしっかりと出るのかどうかということがあります。
そして速度というのは、契約するプロバイダによって変わるということがよく言われているのです。
このプロバイダというのは、利用者の回線をインターネットに接続する業者のことであり、インターネット回線を利用するときは必ずプロバイダと契約する必要があります。
また、インターネット回線を提供している業者と、プロバイダ業者は別の業者である場合も多く、同じインターネット回線を複数のプロバイダが利用しているという状況があるのです。
そのため、同じ速度のインターネット回線を利用しているプロバイダ同士であれば、本来、速度に違いはないということが言えます。
しかし実際には、プロバイダが持っている基幹回線の違いによって速度に差が出てくることがあるのです。
この基幹回線は「バックボーン」と呼ばれており、大手のプロバイダほどこのバックボーンがしっかりしていると言われています。
大手の場合は、利用者も多いので、それに合わせて太く安定したバックボーンを整備する必要があるからです。
そのため、大手の方が速度は速いという意見もありますが、一方で、利用者が少ないプロバイダの方が回線の使用率が少なくなるので、その分、速度も速くなるという意見もあります。
ですので、プロバイダによって速度に違いが出てくる場合はあるものの、一概にどのプロバイダが速いということは言えない状況にあると言えるでしょう。
しかし、実際に測定された速度をプロバイダごとに比較したサイトもあるため、気になる場合はそちらを参考にしてみるとよいと言えます。
速度が遅くなる原因はプロバイダだけではない
インターネット回線の回線速度は、プロバイダによって変わる場合がありますが、実はそれ以外のことが原因で速度が遅くなることも多いのです。
先ほども説明したプロバイダのバックボーン(基幹回線)が混雑していない場合でも、一般の回線が混雑している場合は速度が遅くなってしまうのです。
特に夜間などは利用者が多いため、回線が混雑して速度が遅くなることが多いと言えますし、利用者が多い地域や建物でも同じようなことが起こってしまいます。
この場合は、プロバイダを変更しても改善が見込めないので、インターネット回線の業者を変更することが必要になる場合もあるでしょう。
そしてプロバイダ以外の原因としては、他にも、古いLANケーブルを使用している場合というのが考えられます。
LANケーブルには対応できる速度ごとに種類があるため、古いLANケーブルを使っていると、速い速度に対応できないのです。
現在の光回線は、1Gbps(1000Mbps)というのが主流ですが、「CAT5」という種類の古いLANケーブルは100Mbpsまでしか対応していないため、どんなに速い回線でも100Mbpsまでしか出せません。
1Gbpsに対応しているLANケーブルには、「CAT5e」や「CAT6」という種類のものがあるため、古いケーブルを使っている場合はそうした速い速度に対応できるものに変更する必要があるでしょう。
プロバイダを変更する際のポイントや注意点
回線速度が遅くなっている原因が、上記のものではなく、プロバイダ側にあると考えられる場合は、プロバイダを変更することによって改善される可能性があると言えるでしょう。
プロバイダ選びのポイントとしては、より高速な通信が可能な「IPv6通信」に対応しているかどうかということをチェックしておくことが挙げられます。
この「IPv6通信」というのは、混雑している回線を避けることができるため、速度がより安定するという通信方法であり、従来のIPv4通信よりも速度低下が抑えられるという特徴があります。
ですので、現在利用しているプロバイダがIPv6通信に対応していない場合は、それに対応しているところに変更すると速度が改善される場合があると言えるでしょう。
ただし、プロバイダを変更する際に注意しておきたいこととしては、契約期間内に解約すると違約金がかかってしまうということが挙げられます。
もともと契約期間や違約金がない場合もありますが、一般的には2年契約などの契約期間が設けられている場合が多いため、解約時期については注意しておく必要があるでしょう。
プロバイダは、それぞれが持っている基幹回線の大きさにより、実際の回線速度に違いが出る場合があります。
しかし速度が遅くなる原因は、プロバイダ以外にあることも多く、夜間などに一般の回線が混雑している場合や、古いLANケーブルを使っている場合に速度が遅くなることがあります。
プロバイダを変更する際は、より高速な通信が可能な「IPv6通信」に対応しているかがポイントになり、現在の回線を解約する際は、違約金に注意する必要があるでしょう。