法人向けインターネット回線を利用する場合、どのサービスにすれば良いのか悩んでいる人も多いでしょう。
光回線サービスについての情報は個人向けのものが多いですが、法人向けのものは少ないのが事実です。
法人向け回線と個人向け回線にはいくつか違いがあるので、基礎的な知識をいくつかご紹介します。
いろいろなサービスがあるので、この記事を参考にして最適なものを選択してくださいね。
固定IPアドレスを利用できます
法人向けインターネット回線サービスでは、固定IPアドレスを付与してもらうことができます。
まず、「IPアドレス」というのはインターネット上の住所のようなもので、データをやり取りする際に必要になります。
インターネットでは相互接続されたコンピュータにおいてデータをやり取りしますが、送り手と受け手が特定できないとうまく通信することができません。
手紙を送るときに相手の住所が分からなければ、正しく届けることができないのと同じです。
インターネットに接続して通信する場合、それぞれのコンピュータには世界で一つだけのIPアドレスが必ず与えられています。
しかし、インターネットが普及するようになり接続端末が増加したせいで、同じものが複数存在することにできないIPアドレスは数が不足することになりました。
そこでプロバイダは、利用者が接続するときだけ一時的にIPアドレスを割り当てることにしました。つまり、接続が終了したらIPアドレスの割り当てを解除し別の端末へそのIPアドレスを割り当てることで、一つのIPアドレスを使いまわしてたくさんの端末がインターネットに接続できる仕組みを作ったのです。
この仕組みでインターネットに接続する場合、一度電源を切って接続し直すと、IPアドレスが変更されることになります。
個人ユーザーの場合は接続する度にIPアドレスが変わっても特に問題がないのですが、法人の場合はWebサイトを公開し、外部に情報発信することがあると思います。
IPアドレスが変わるということはサイトの住所が変わるということなので、利用者はそのサイトにたどり着くことができず、ビジネスにおいては混乱を招くことにもつながります。住所をいつでも同じにしておいて利用者が訪問できるようにするために、固定IPアドレスが利用されるのです。
領収書をもらうことができるので便利
個人向けサービスの場合はクレジットカードによる決済が中心になっているため、利用者と回線業者との間に直接的なお金のやり取りが発生せず、領収書がもらえないことが多いです。しかし法人の場合、税申告などの関係で領収書が必要になることがあります。領収書を発行してもらうためには法人名義で契約する必要があるので注意しておきましょう。
個人向けの「共有型」と法人向けの「専有型」
特にハイスペックな回線が必要のない場合、法人が個人向けサービスを利用しても問題ありません。
個人事業主やフリーランスの場合は個人向けサービスを利用していることも多く、自分ひとりだけや数名の社員だけなら個人向けサービスでも十分快適な通信ができることもあります。
しかし、従業員数がある程度の規模だったり、大きなサイズのデータを扱うことの多い業種だったりすると、個人向けのサービスでは速度が遅く業務に支障が出てしまうケースもあると思います。
そんなときはぜひ法人向けサービスを検討してみてください。
個人向けサービスは、1本の光ファイバーを分岐させ近隣のユーザーと共有して利用する「共有型」のものが一般的なため、通信量が増えすぎると渋滞が発生し速度が低下しやすくなります。しかし法人向けサービスの中には、他のユーザーと回線を共有せずアクセス区間では1本の光ファイバーをそのまま引き込む「専有型」と呼ばれるものがあります。この専有型の回線の場合、他のユーザーの通信状況の影響を受けず、自社の行う通信だけで回線をまるごと使うことができるので安定した通信を行うことができます。
したがって、高速で安定した通信を行うために法人向けの「専有型」サービスを選ぶのは非常に有効な手段だと言えます。