コロナウイルスが猛威を奮い、通勤からオンラインに切り替えた企業も多いのではないでしょうか?在宅ワークやオンライン会議、データのやり取りなどを行う場合には、回線の強度が気になるところです。ということで今回はインターネット回線のサービス「ベストエフォート型」についてお伝えしていきます。
目次
ベストエフォート型の法人向けインターネット回線のメリット・デメリット
ベストエフォート型のメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか?ここから見ていきましょう。
ベストエフォート(besteffort)とは回線の速度を最大限努力することを意味します。インターネット回線は使用人数や機械・ソフトの性能によって変化するため一概にこのスピードと明示することはできませんが、その状況下で「最大限」のスピードで接続できるのがベストエフォートの特徴です。
しかしこのベストエフォートは商品の質を保証するものではなくあくまで理想的な状況での最大限の速度を示しています。反対に通信の速度や品質を一定に保つサービスは帯域保証型(ギャランティ)といいます。
■ベストエフォートのメリット
ベストエフォートのメリットは低コストで回線を使用できることです。安定した通信速度や膨大な通信量がかからない場合は、ベストエフォートを使用するのがよいでしょう。
■ベストエフォートのデメリット
対してベストエフォートのデメリットは、通信速度にブレがあることです。ベストエフォートは最大限の努力は保証されていませんが、帯域保証型とは違い「最低限の質」は保証されていないため、通信速度が悪くなることがあります。多くの人数でオンライン会議を開く場合や、通信速度が遅いと困るような事業を行っている場合には、ベストエフォート型だと便りなく感じてしまうかもしれません。
法人向けインターネット回線におけるベストエフォート型と帯域保証型の違い
ベストエフォート型と、帯域保証型の違いは大きく分けて3つあります。
1つ目は、通信速度です。ベストエフォート型は最大限の通信速度しか明示されていないのに対し、帯域補償型は最大値に近い値を保証しています。どんな状況であっても帯域保証型であれば通信速度がこれを下回ることはありません。
2つ目はコストです。ベストエフォート型は通信の質を保証していないため比較的安価に導入できます。しかし帯域保証型は最大値を維持するためコストがかかる傾向にあります。
3つ目は性能についてです。ベストエフォート型は何度もお伝えしている通り最大値を維持するわけではないため、環境や使用状態によっては通信環境が不安定になります。対して帯域保証型は常に安定しており、どんな環境になっても通信状態を保つことが可能です。
ベストエフォート型の法人向けインターネット回線が向いているケース
違いがわかったところで、ベストエフォート型の法人向けインターネット回線が向いているケースを確認していきましょう。
■テレワークをあまり行わない企業
テレワークを推進しているような企業では通信環境が不安定であると、オンライン会議や、展示会、連絡のやり取りなどの際、データが飛んでしまったり、回線が途絶えてしまったりするため仕事にならないことがあります。
しかしテレワークを行わず、社員が少ない企業では帯域保証型を選択する必要はなく、ベストエフォート型でも充分といえます。回線環境に強度が必要ない場合にはベストエフォート型を選択すると、コストも抑えることができ経費を削減できるでしょう。
■金融取引を行っていない会社
金融取引では、通信障害や電波障害の影響で損害が大きくなるケースが少なくありません。そのため金融取引を行っている会社は帯域保証型で最大限の通信を確保しておくのがよいでしょう。
しかし回線が会社の運命を左右するような作業がない場合には帯域保証型を選択する必要はありません。そのような場合にはベストエフォート型を選択するとよいでしょう。
■ベストエフォートは悪いのか?
ここまで見るとベストエフォート型を選ぶメリットが少ないように感じますね。しかし帯域保証型を常に使用していると、回線ごとの管理が必要なため高コストになります。
そのため現在多くの企業はベストエフォート型と帯域保証型を併用するケースが多くなっています。回線が混雑しないときにはベストエフォート型、オンライン会議や商談の場合には帯域保証型を利用するなど場合によって使い分けることもおすすめです。
いかがでしたか?今回はベストエフォート型の回線サービスについて、メリット・デメリットや帯域保証型との違いについて紹介しました。ベストエフォート型と帯域保証型の違いや、メリット・デメリットについて把握できたでしょうか?ベストエフォート型は頻繁にオンラインを使用する場合には向かないですが、帯域保証型と併用することでコストを抑えることができます。自身の会社にはどちらの回線が向いているか検討し、導入してみてください。この記事が回線サービス選びの参考になれば幸いです。