法人向けインターネット回線を比較する際の注意点

公開日:2019/02/01 最終更新日:2024/06/17

インターネットが遅くて違うサービスに切り替えようと思ったとき、どんなところに注意して選べばいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。特に、会社で利用できる法人向けサービスに関する情報は非常に少ないため、苦労されている方も多いと思います。

そんな方々に向けて、サービス比較を行う上で押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

「最大1Gbps」の回線が実際には「1Gbps」の速度が出ない理由

個人向けの回線でも最近のサービスは「1Gbps」という速度が一般的です。「1Gbps」というのは「1 Giga Bit Per Second」のことで、1秒間に1ギガビットのデータ量を転送できるスピードです。もしも本当にこのスピードが出れば、動画ファイルなどの大きいサイズのデータをやりとりしてもストレスを感じることはないでしょう。しかし、実際の通信で1Gbpsものスピードが出ることはまずありません。1Gbpsというのは、計算上の数値でしかなく、実際の通信においては様々な要因で速度は下がってしまうため、数十Mbps~数百Mbpsの速度になってしまいます。カタログの速度欄を見てみるときちんと「最大」と書かれていることが分かります。それなら、実際にはどれくらいの速度が出るのか気になると思いますが、これは実際に通信を行ってみるまで通信事業者でさえ分かりません。しかも同じ料金を支払っている同じサービスの利用者でも環境によってかなりばらつきが発生します。もし「これぐらいの速度は出ると思います」なんてことを言ってしまうと、出なかったときにクレームにつながりかねません。したがって、通信事業者は「最大」と付けることによって実際の速度を明示することを避けているのです。

このようなサービスのことを「ベストエフォート型」と言って、「最大限努力はしますが、実際のことは分かりません」ということを表しています。もし「絶対にこのスピードを出してほしい」というときは、「帯域保証型」の回線を選ぶ必要がありますが、この「帯域保証型」の回線は「ベストエフォート型」の回線とは比べ物にならないほど高額になります。

速度が低下してしまう原因は?

個人向けサービスの場合、たいていは「共有型」の回線です。これは、1本の光ファイバーを何本にも分岐させ近隣のユーザー同士で共有し合っている回線のことです。サービスによって異なりますが、フレッツであれば最大32分岐していますので、32人のユーザーで1本の回線の帯域を分け合う可能性があります。そんな状況でみんなが一斉に通信をしてしまうとデータの総量が大きくなり、通信の渋滞による速度低下が起こりやすくなります。また、1ユーザーでも極端に大きなデータ量を通信していたら、残りの31人のユーザーは自分たちが小さなサイズのデータしかやりとりしていなくても、影響を受け遅くなってしまう可能性があります。

一方、法人向けサービスには「専有型」の回線があります。これは、1本の回線を分岐させずまるごと1ユーザーに割り当てるというものです。この「専有型」の回線であれば、回線の能力を自分の通信のためだけに使うことができるため、渋滞による速度低下は起こりにくくなりますし、他のユーザーの通信状況の影響を受けることもありません

そのため、同じ「ベストエフォート型」の回線であっても、「専有型」の方が「共有型」よりも高速で安定した通信が期待できると分かります。

バックボーンってなに?

インターネットを使って通信を行う場合、自分のパソコンを出発したデータは回線事業者の設備を通った後、プロバイダ業者の設備を通ってインターネットに到着します。このとき、プロバイダ業者の設備のうちインターネットにつながる部分のことを「バックボーン」と呼びます。このバックボーンの品質は、プロバイダ毎にかなり差があります。高品質なバックボーンは、たくさんの回線事業者の設備から集まってきた通信を十分にさばけるだけの能力がありますが、品質の良くないバックボーンではさばききれず速度低下などが発生してしまう可能性があります。フレッツ回線を利用するにはプロバイダとの契約が必要になりますが、プロバイダの利用料金に差があるのはこの品質の差によるものです。

また、法人向けのサービスでは、個人向けサービスにおいて回線事業者とプロバイダ業者それぞれの管理管轄に分かれていたものが、同一業者での一括管理になっている「一体型サービス」というものがあります。この場合もインターネットへの経路は同じで、回線事業者が管理しているバックボーンを通らなければいけません。バックボーンのスペックも忘れずに確認するようにしましょう。

なお、バックボーンの品質も回線測度と同じように「〇〇Gbps」という速度表記になっていて、この数値が大きいほどより多くのデータを高速に処理できるということを表しています。

 

同じ「1Gbps」であっても料金が異なる理由をお分かりいただけたでしょうか。

回線を選定するときには、通信速度だけでなく設備の構成や提供形態を確認することで比較しやすくなります。重視する条件とかけられるコストを照らし合わせながら、最適なサービスを選ぶようにしましょう。

 

 

おすすめ法人向けインターネット回線一覧

イメージ
サービス名
(会社名)
光ビジネスアクセスNEXT(株式会社USEN ICT Solutions)フレッツ光ネクストビジネスタイプ
(NTT東日本・NTT西日本)
OCN光「フレッツ」(OCN)
イーサシェア(KDDI株式会社)イーサネットアクセス (S)(ソフトバンク株式会社)NUROアクセス スタンダード(ソニービズネットワークス株式会社)GMOとくとくBB(GMOインターネット株式会社)
連絡先0120-681-61703-5359-5111(東日本)
0120-116116(西日本)
0120-106107(OCN)
03-3347-0077お問い合わせフォーム0120-963-3500120-202-015
回線タイプベストエフォートベストエフォートベストエフォートベストエフォートベストエフォート(一部帯域確保)ベストエフォート
通信速度上り:最大1Gbps
下り:最大1Gbps
上り:最大1Gbps
下り:最大1Gbps
上り:最大1Gbps
下り:最大1Gbps
上り:最大1Gbps
下り:最大1Gbps
上り:最大1Gbps
(10Mbps確保)
下り:最大2Gbps
(10Mbps確保)
上り:最大357.38Mbps
下り:最大263.69Mbps
提供構成専有型専有型専有型専有型共有型要問合せ
提供エリア全国主要都市部
(1道1都1府7県)
全国関東エリア
(東京・埼玉・千葉・神奈川の一部)
全国関東:1都6県
東海:4県
関西:2府3県
九州:2県
全国
参考価格
:月額費用
4万6,200円(税込)4万5,210円(税込)
※別途プロバイダ利用料金が必要
33万円(税込)858万円(税込)2万735円(税込)戸建て:4,488円(税込)

マンション:3,498円(税込)
参考価格
:初期費用
5万8,300円(税込)
※工事費別
2万680円(税込)3万4,650円(税込)11万3,850円(税込)22万3,300円(税込)
※2年継続なら実質無料
28,600円(税込)
SLA(品質保証制度)対象遅延速度
可用性
遅延時間
故障通知時間
故障回復時間
パケット損失率
遅延時間遅延時間
可用性
稼働率要問合せ
トラブル対応
サポートの仕方
24時間365日の電話受付(トラブルきりわけ・復旧支援)と、必要に応じて現地への駆けつけ対応「24時間出張修理オプション」:月額3,300円(税込)で、24時間故障受付可能故障申告受付と故障復旧作業を24時間対応24時間365日の監視・保守を標準提供。回線終端装置は、常時監視により迅速な復旧を24時間365日対応24時間365日対応のオンサイト保守が標準装備。障害の発生箇所の調査や問題の切り分け、現地での保守対応も可能要問合せ
その他特徴ネットワーク全体を管理し、バックボーンを定期的に増強するため、通信環境が安定しているバックボーンは国内最大級。常に高品質で安定したインターネット環境を提供できるWebブラウザを利用し、日々の通信状況をチェックできるトラフィックレポートを標準付属バックボーン内の機器・回線の二重化による障害対策および、通信の優先制御を行うことで信頼性・安定性を実現環状に交換設備を接続するリング型構成になっており、1つの区間で障害があっても逆向きの接続で伝送することが可能固定回線(光回線)とモバイルWi-Fiの2種類
詳細リンク詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら
公式リンク公式サイトを見る公式サイトを見る公式サイトを見る公式サイトを見る公式サイトを見る

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